“私らしい”を見失わせるネガティブな気持ち
私のStory:自分を追い詰めないで
私はあまり母乳が出ませんでした。
それ自体はさほど珍しいことではありませんが、妊娠期間中から生まれてくる我が子に母乳をあげることを想像し、楽しみにしてきた私にとっては、受け入れがたい事実でした。
最初の頃は、まぁそのうち出るようになるだろう、と楽観的に考えていました。
きっと母乳外来に行けば出るようになる。きっと母乳マッサージをすれば出るようになる。きっとこれを食べれば出るように。。。
あれ?たくさんの「きっと」を繰り返しても、何も変わらない。胸が張る感覚を覚えることはありませんでした。
そして、気が付いた時には、私の心の中は悲しみや劣等感、罪悪感でいっぱいになっていました。
母乳神話の情報にばかり目が行くようになり、私の母の「あなたを産んだ時、私は結構出たんだけどね。」という何気ない言葉に傷ついたり。
私は徐々に、授乳室を避けるようになり、外出をも渋るようになっていきました。
私は自分で作り上げた理想の母親像に追い詰められていたのだと思います。
私はダメな母親だ。子どもがかわいそう。夫や周囲の家族も呆れているのではないか。こんな考えが自分の中でループし、どんどん大きくなっていきました。
今になって考えれば、理想の母親を完璧にやれている人なんてそもそもいないと思えるのに、心の余裕をなくしていた当時の私には、自分を否定する以外なす術はありませんでした。
幸いにして、私は友人との会話をきっかけに、理想の母親像のループから逃れることができました。
母乳だろうが、ミルクだろうが、私がこの子を愛していることに変わりははない。現にこの子は毎日まぶしいくらいに成長している。私の目の曇りは晴れ、子どもの成長をシンプルに見守ることができるようになりました。
私は今、第2子の育休を取得し、私らしい母親を楽しんでいます。確かに、今でもオンラインで繋がっている育休仲間が画面越しに授乳している姿を見ると、目で追いかけてしまいます。でも、以前のような苦しい気持ちになるのではなく、それを幸せな光景だと心から思えるようになりました。
もしタイムマシンがあるのなら、私はあの頃の私に会いに行きたいです。つらかったね、頑張ったね。と抱きしめ、教えてあげたいです。今、とても幸せに暮らしていることを。そして、一人で思い悩まないで、ということを。
(記事担当:ゆきのん/うーちゃん)